会社内の潤滑油−はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書

 課長が元気な会社は伸びる!の帯でかかれた本。経営者層のリーダーシップ論でもなく、新入社員の心得集でもなく、中間管理職としての課長の立場で、課長が学んでおくべき8つのスキル、9つの問題解決、3つのゲーム、8つのキャリア戦略が展開される。
 課長とは、「予算管理に実質的な責任を持つ管理職のなかで最も下位」であると説き、経営者から落ちてきたビジョンを、管理職以下の部下へ伝達する最後の窓口となり、逆に部下からの現場の情報を経営者へ上げる最初の窓口となる、情報の交差点の役割を果たす。
 そのような立場で学んでおくべきさまざまな内容を、実地に即して事細かに教えてくれる。たとえば、8つの基本スキルでは、主に部下のマネジメントスキルを中心に紹介され、逆に3つのゲームでは予算管理など社内政治でのスキルを中心に紹介してくれる。
 現場の意思と経営者の意思、双方向を取りまとめる会社内の潤滑油のような役割が期待され、潤滑油が効果的に動いているときこそ、「課長が元気な会社は伸びる!」ということなのだろう。
 この先いつか課長という立場になるかもしれない。またこの先いつか課長の部下になるかもしれない。そのときのために、今読んでおいてよかったという一冊。将来マネジメントを希望する方々へも、チームマネジメントスキルを知れる良書となると思う。