欠落が生む憧憬と、無常の変化プロセス−日本という方法―おもかげ・うつろいの文化

日本という方法 おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)

日本という方法 おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)

著者は千夜千冊の松岡正剛氏。氏の考える日本文化とは、欠如が生む憧憬と、無常の変化プロセスであると。
唯一史観や絶対的なものではなく、精緻な末梢が想起させる本質の「おもかげ」と、常と無常、ゆめとうつつを行き来する「うつろい」という、2つの方法論こそが、日本文化であるとの話。
そこに水を感じたいから水を抜いたという枯山水、あえて仕上げないで想像力で補うことこそが、完成形への「おもかげ」と、現実を見ておもかげを求める、完成・未完成のウツ(空)とウツツ(現)を行き来する「うつろい」の方法。
300頁強に、著者の持つ溢れんばかりの大量の情報が詰め込まれていて少し読みにくいが、新しい日本文化の解釈として、非常に面白い。
読了トータル1時間程度か。